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育種学会とは
1900年にメンデルの法則の再発見という歴史上の大事件により、欧米では遺伝学、育種学の発展が始まった。欧米に遅れて日本でも遺伝学の追実験が展開され、1906年の外山亀太郎氏(初代東大育種学研究室教授)が行った蚕の実験は、世界で最初に植物以外でのメンデリズムを証明し、その成果は世界をかけめぐった。そんな中、1915年に第1次日本育種学会が設立された。西洋に追付けムード一色での学会設立であったと言われている。
外山氏は一代雑種の優秀性も証明し、国内の養蚕産業界は迅速にその振興を進め、日本経済に多大な貢献を果たした。しかし残念なことに、この時幹事であった外山氏は1917年に急逝されてしまう。翌年1918年に日本育種学会会報第1巻2号が発行された後、第1次育種学会は発展的に解消する。代わって翌年、日本遺伝学会が設立され、1921年から遺伝学雑誌が発行されるようになった。
戦後になり、育種学研究は、遺伝学研究に収まり切れなくなり、1951年(昭和26年)4月6日、現在の第2次日本育種学会が発足した。このことは、同年8月15日に発行された育種学雑誌第1巻第1号の表紙裏、「日本育種学会の設立経過」に記載されている。
それから75年余り、日本育種学会は会員数約1500名を有する学会に発展し、春、秋の年2回の講演会を経て、今回の東北大学での開催で147回目を迎えることとなった。
日本育種学会における現在の研究トピックは、ゲノム情報を利用した作物の育種技術に関する研究、ドローン等を使った最先端のフェノタイピング技術の開発研究、作物の分子遺伝学研究、ゲノム編集技術を用いた新しい育種法開発のチャレンジ、また、社会実装を前提とした新しい品種開発等、多岐にわたるテーマで、魅力的な最先端の農学研究の宝庫となっている。そのことは学会賞の対象となっている研究テーマを見ていただければお分かり頂けるであろう。